
自然豊かな離島ランタオ島にあるトレイルです
--- 実踏記録 ---
1日目
ランタオトレイルは香港島の西側にあるランタオ島にあります。
ランタオ島は東西が30kmある香港最大の島で、700mを超える山が5つある起伏の激しい島です。
もともとは秘境のような島でしたが、1998年に島北部に香港国際空港ができてからは、北部中心に開発が急速に進んでいます。
とは言っても島の50%以上は郊野公園となっていて大自然が守られている魅力的な島です。
ランタオトレイルは全長70kmで12のセクションで構成されています。
さて、出発しましょう。
トレイルの起点である梅窩(ムイウォ)までは、香港島の中環からフェリーでアクセスします。

高速艇で30分です。

フェリーを降りた所のバスターミナル付近がトレイルのスタート地点らしいのですが、看板も何もありません。

とりあえず、ガイドブックに従って進みましょう。
セクション1(2.5km)は登山口までの誘導路のような区間で、緩やかな上りの車道脇を登ります。

途中にポストがありました。

この道であってますね。
25分ほどでランタオトレイルのアーチが現れて、ここからセクション2に入ります。

セクション2は大東山(869m)を超える山岳コースで、ゲートをくぐるとすぐに階段の登りが始まります。

地図を事前確認した際、フェリー乗り場(海抜ゼロ)から7kmほどで800mを超える大東山まで登るので、それなりに登りが激しいだろうと覚悟していました。
階段も多くて傾斜自体はきつくないのですが、とにかく登り続けることと、背後からの直射日光が暑い!

標高500m位からは高い樹木が無くなり草だけになるので、日陰が無いんです。
でも、登るにつれて視界が広がり、振り返ると美しい景色が見られます。

伸び放題の草が登山道を隠すように生えているところも多いですが、草をかき分けて進みます。

ホントにこの道で大丈夫?と心配になりますが、ちゃんとポストがあるので安心します。

北側の空港が見えました。お〜いい眺め!

山の頂上が見えるだけに、あそこまで登ると思うと精神的にはきついですね。

しかし、暑い!
トレイルコース自体は大東山の南側を巻いて抜けるのですが、ここまで来た頂上に行きたいですよね。
と言うことで頂上へ寄り道です。
暑い中を登り続け到着です。景色は最高!

ここからは下りです。
しばらく下ると目の前にランタオ島のピークである鳳凰山が見えました!

美しい!と感心する反面、次のセクション3であのピークまで行くことを考えると、
すでにくたびれた足腰が嫌がってます。
長く続く下りの階段は脚への負担が大きくて脚に堪えます。
標高300mほどの峠まで下りセクション2が終わった時には足腰が完全に笑ってました。

しばらく休憩してから、セクション3に進みます。

さて、鳳凰山(934m)へのチャレンジです。
当然、道は登りだけ。はるか先に鳳凰山が見えます。

途中の景色は綺麗ですが、脚が辛くて余裕がないです。
まだ続くよ・・・

途中にはほぼ直登もありますが、これがきついんです。

やっと頂上に到着! やった!

頂上から振り返るとさっき登った大東山とここまでの登山道が見えます。

しかし、360度見渡せる景色は素晴らしい!
景色を堪能した後は、西側へ急勾配を下ります。
急すぎて、ところどころに転落防止の鎖がついています。

笑っている脚を何度か小休憩でなだめながら下ります。
下りの途中で、左下に屋外の大仏が見えます。

セクション4のゴールはあそこです。遠いなあ〜
さらに下ると左側に大きな木が塔婆のように並んでいるのが見えます。

これは「心経簡林」と言って般若心経が書かれた柱38本が∞の形に立てられています。
神秘的です。
そして下りきった所のアーチで辛かったセクション4の終了です。
アーチ横にはカラフルな鳳凰がいます。鳳凰山ですからね。

そしてここからセクション4(4km)です。
途中、再び石階段が続き、疲れ切った脚に堪えます。

さらに行くと左側に天壇大仏が見えます。
これは世界最大の屋外座禅ブロンズ仏で、基座が北京の天壇を模していることからこの名前がついたそうです。

ちなみに北京の天壇がこんな感じです。
丸い基座が特徴ですね。

さらに進むと上空にゴンドラが見えます。

これはゴンピン360と言って、空港からこの山の上まで5.7kmにおよぶ長距離ケーブルカーです。
で、しばらく行くと昴平(ゴンピン)市集という観光エリアに出ます。
大仏を見に来る人が集まる観光地ですね。

ここからは約2kmを歩道を下ります。

疲れた体にはきついですが、もう無心で歩くしかないです。
道端の展望エリアからは今日歩いてきた山が見えます。
2つ先の山から来たんです。頑張ったね自分!

で、さらに下ってアーチにたどり着き、ここでセクション4終了です。

陽も傾き始め、体力も限界なので今日はここでおしまい。
すぐそばのバス停からバスに乗り、フェリーで帰宅です。

距離的には17.5kmしかなかったのですが、登り下りが激しいコースで疲れました。
ホンコントレイルとはまた異なるタイプのトレイルですね。
登り降りしているときは必死で辛かったですが、終わってみると美しい景色が思い出されます。
山って不思議な魅力がありますね。
と言うことで、ランタオトレイルの充実した1日目が終了です。
疲れた〜。

(ランタオトレイル セクション1〜4 17.5km 累計上昇1542m)
2日目
前回同様に船でランタオ島に渡り、前回の終点セクション5スタート地点までバスでアクセス。
今回は、ここから始まりです。

セクション5(7.5km)

前回のセクションは激しい山岳区間でしたが、このセクション5は高原草原を緩やかに登り降りする気持ちの良い区間です。
初めはしばらく階段を登ります。
でも、まだ脚も元気なので大丈夫!

草原のため見通しが良く、先の道も良く見えます。
400m級の山を3つほど超えますが、それぞれの山は尾根繋がりで、勾配はきつくないです。

羌山山頂(459m)

霊会山(490m)

どちらも眺めが良く気持ちいい!

山を下る途中に蓮池がありました。
近所に廃墟のお寺があったので、そこの持ち物だったようです。
しかし、なんでこんな山奥に蓮池??って感じです。

そして右側にセクション6の看板を見ながら進みます。
なんで、こんな山の中でセクションをつないでいるのか・・・よくわかりません。
セクション6(2.5km)
このセクションはランタオ島日の町、大澳(タイオ)という町まで下るつなぎのような区間です。
町が見えて眺めがいいです。

はい、セクション7(10.5km)

この区間はランタオ島の西側をぐるっと反時計回りに回りこむ区間です。
ガイドブックでは「ロストワールド」とも呼ばれている大自然があるので楽しみです。
看板の下に「この地区の海岸は飲み水として利用しているので、海水浴しないでください」と書いてあります。
古びた街を抜けて、

海沿いにでます。この水を飲み水に使ってるんですね。

その後、海岸沿いを3kmほど進みます。
海神を祀るほこらがありました。

そして、海から陸側に入るのですが、ここからが大変!
道がないんです!!

道かな?という隙間を見つけて進みます。
やぶも深いです。ポストも見つからないのでかなり不安ですが、とりあえず進みます。

しばらく進むとトレイルの看板を見つけて一安心。

ホントに何もない自然です。

ところどころで海沿いを通り、砂浜がありますが・・・誰もいません。

島の南側に出てしばらく登ると視界が開けて美しい自然が眺められます。

廃墟ですね。昔は住んでたんですね。

で、ここで長かったセクション7終了!
ここからセクション8(5.5km)。

このセクションは全工程が引水道沿いを歩く退屈なセクションです。

写真を撮るものもないです。
はい、セクション9(6.5km)

まずは石壁水塘というダムの堤防を歩きます。
正面には前回登ったピークも見えて美しい!

堤防の反対側には凶悪犯を収容している石壁監獄が見えます。
こんな島に収容してるんですね。
建物は白くて立派で、鉄格子が無ければホテルに見えます。

そのあとは、山の中腹を登り降りしながら進みますが、海と山の綺麗な景色が続きます。
あまりに長いので、飽きるんですけどね・・・

そして、途中にランタオのピークが見えます。
前回はあそこまで登ったんだと思うと感慨深いです。

で、車道に出て500mほど先のセクション10の看板で今日は終わりです。

バスに乗って帰ります。

フェリー40分で香港島に戻ると、そのそばの歩道橋の上では週末恒例?となっている東南アジア系の方の闇市場が開かれていました。

ついさっきまでいた大自然と、この人混みのギャップが激しいですが、この両方がそばにあるのが香港ならではなんだと思います。
本日のコース

ランタオトレイル セクション5〜9 32.5km
3日目
残りはセクション10から12までの3つです。
いつもの通り、フェリーとバスでセクション10のスタート地点までアクセスします。
今日は天気も良いです。
暑そうですが・・・

セクション10〜11は引水道沿いのフラット部分が多いので、今回はトレランシューズではなくジョギングシューズをチョイスして走ってみようと思います!

まづは引水路のある通りまで登ります。
ここから、引水路沿いなので、ジョグ開始!

ところどころ視界が開けると海がきれいです。

ずーっとこの景色が5.5kmほど続きます。

でもね、この引水路よく見ると良くできてるんですよ。
ほら、真ん中に溝が掘ってあって、水量が少ない時にでも水を枯らさず流せるように工夫してあるんです。

この引水路はセクション9で通った石壁水塘(ダム)まで水をかき集めて送ります。
そしてなんと石壁水塘(ダム)の水は海底パイプを通って25km先の香港島に供給されてるんです。
自然豊かなランタオ島が香港島に水供給をしてるんです。
それでも全需要の70%は中国に頼ってるんですから、香港の水不足はホントに深刻です。
というようなことを考えているうちにセクション11(4.5km)に突入です。
見晴らしの良い広場には親子連れが散歩に来てました。

引き続き引水道沿いをジョギングで進みます。
途中に沢がありました。綺麗ですね!

島の南北を結ぶ新東涌道をくぐり、しばらく行くと土道になりました。

徐々に下り、車道にでました。300mほどでこのセクション終了です。

さて、最終セクション12(9km)です!

平坦な湾を見ながら進みます。暑いな。

で、海に出ますが、50mほどで再び山へ戻ります。

かなり登りますね。

まだ登る。

で、視界が開けるとそこにはランタオ島の主峰を見渡せる素晴らしい景色です。すげー!

ゴールが近くなるにつれて、このランタオらしい山道が懐かしくなってきました。

このあずまや(休憩所)も素敵ですね。
あらためてトレイルコースの整備の良さに感心します。

あと1km。

あと500m

ゴールのフェリー乗り場に戻ってきました。
やったね!ランタオトレイル70km完結!

フェリー乗り場の建物の裏側にランタオトレイルの地図がありました。
ここがスタートでありゴールだったようです。

感動とともにフェリーに乗って香港島に帰ります。
楽しかったよ!ランタオ島ありがとう!

ランタオ島は、激しい山岳区間も、海沿いののんびりコースもある変化に富んだトレイルでした。
ランタオ島、素敵な島です。
山岳に挑戦したい方にはセクション2〜4の大東山と鳳凰山(ピーク)をお勧めします。
ランタオ島では毎年秋にこの2山を登る「ランタオ2ピーク21km」というトレイルレースが開かれています。
キツイコースだと思います。
本日のコース

ランタオトレイル セクション10〜12 20km
(実踏&撮影:2014年10月)
記事内、セクション7”ロストワールド”の区間は、現在コースが変更となっています。
現地の案内や距離ポストも変更されており、分かり易いので安心してお出かけください。
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