香港島にあるトレイルです
--- 実踏記録 ---
1日目
ホンコントレイルのスタート地点は「100万ドルの夜景」として有名な「ビクトリアピーク」です。
中環の山麓駅からピークトラム(ケーブルカー)でアクセスできます。
ピークトラムの混雑を避けるのであれば、バスでのアクセスがお勧めです。
MTR金鐘駅C1出口出て右のバス停で15番”山頂行き”バスで約30分でアクセスできます。
ピークタワーは観光客でいつも賑わっています。
ピークタワー向かって左側の道を入ったところに案内看板がありました。
丸に木の絵は漁護署のマークで、男女が颯爽と歩く絵は「ホンコントレイル」のマークです。
ホンコントレイルはこのマークを目印に進みます。
しばらく歩くとセクション1の案内板がありました。
ホンコントレイルは全長50kmで8セクションに分かれています。
各セクションのスタートにはこういう案内板があります。
分かりやすいですね。
さらにDistance Postの説明版がありました。
500m毎にポストが設置されていて、コースの目印とともに緊急時に最寄りのポストを通報することで迅速に救助できるために設置してあるそうです。
イギリス的な効率的なシステムに感心します。
しばらく進むとポストがありました。
H(ホンコントレイル)の1番ですね。これも分かりやすい!
この先しばらくはフレディック・ルガード総督が山の中腹に建設した回遊路「ルガードロード」。
ビクトリア湾越しに九龍まで見渡せる絶景の歩道です。
ビクトリアピークからも近いので、家族連れも含めて人が多いです。
この景色はたまりません!
景色を楽しんで進んでいるとあっという間にH004ポストです。
500m×4で2km進んだってことですね。
距離もペースも分かるのでこれはとても便利ですね。
ビクトリアピークを半周したところから夏力道に入ります。
さらに森の中を進むと視界が開けてきます。ワオ!
再び山道へ戻り進みます。
何度か沢を超えますが、沢には「急な水流注意」の看板。
絵が楽しい!
楽しく進んでいると、セクション2の案内板に到着。
7kmのセクション1を終了し、そのままセクション2に進みます。
見晴らしの良い道が続きます。
途中、たまに緊急用電話もあります。整備が行き届いてます。
香港島南側にある香港仔の街を見下ろせる素晴らしい景観です。
ここから「引水道」沿いをしばらく進みます。
水が貴重な香港には多くの場所にこのような「引水道」があります。
山からの雨水を効率よく回収してダムへ供給するために整備されているんです。
やや短いセクション2(4.5km)終了です。
まだ時間があるのでセクション3へ進みます。
セクション3は比較的平坦な山道がヘアピン状に続く区間です。
おっ、ここにも緊急電話が。
景色が単調なので飽きてきますが、ポストを見ながら進みます。
そして、セクション4の看板に到着。
すでに夕方5時前なので、今日はここでおしまい。
近くのバス停まで600mほど歩いて帰宅です。
各セクションの終了地点はバス停へのアクセスがしやすい場所に設定してある場合が多いので、好きな区間だけ気ままに楽しめるのも香港トレイルの特徴です。
(ホンコントレイル セクション1〜3 18km 2時間45分)
2日目
1日目に終了したセクション4のスタート地点までバスで移動し、再スタートです。
セクション4は始まるとすぐに土道に入ります。
山の巻き道が続くセクション4は平坦で歩きやすいのですが、景色が変わらないので飽きてきます。
途中の立派な石橋に感心したり、
「毒キノコ注意」の看板を見たりして気を紛らわして進みます。
途中に何箇所か展望が開ける場所もあり、香港島南側の素敵な景色を楽しめます。
そして、歩くこと7.5kmで黄泥涌峡という峠に出てセクション4終了です。
香港島の南北間をつなぐのは、トンネルとこの峠の2ルートしかないためこの道路は交通量が非常に多くて、渡るのに苦労しました。
大戦時に日本とイギリスがこの島で戦いましたが、当時は今のトンネルはなくてこの峠が南北をつなぐ唯一のルートでした。
そしてこの峠は香港島を占拠する要所であったため最大の激戦地となりました。
最終的には日本軍がこの峠を制圧しましたが、双方に数百人の犠牲者を伴った戦いだったそうです。
そのため、この近辺には避難壕や防空壕や記念碑などが多く残っています。
これはセントジョン救急隊追悼碑です。
今では普通の峠ですが、激しい歴史を持っているのですね。
さて、先に進みます。
案内板がみつからなったのですが、知らないうちにセクション5に入っていたようです。
1kmほど進むと、右からウィルソントレイルが合流し、ホンコントレイルとウィルソントレイルの重複区間となります。
2つのトレイルが表示してある2段アーチがありました。
さらに進むとその先には2つのトレイルのディスタンスポストが仲良く並んでいました。
ここからがホンコントレイル「第2のクライマックス」と言われている区間が始まります。
まずは長い登りです。
心拍も上がりっぱなしで、さらに真後ろから射す日がめちゃくちゃ暑く、汗が噴き出ます。
ちょっと足を止めて振り返ると、そこには、緑とダムと海と空が調和した素晴らしい景色がありました。
登ること1.5kmで、やっとピーク、渣甸山433mに到着です。
その先、真下に見える採石場へ一気に高度100mほど下り、またすぐに100mほど登り返します。
暑っついなぁ!
きっついなぁ!
その先でウィルソントレイルの分かれ道があり、ウィルソンとはここでお別れです。
そして、ホンコントレイルはさらに畢拿山436mに登り返します。
辛いですが、たどり着いた頂上からの景色は格別です。
その後、山を下って、厳しかったセクション5が終了です。
引き続きセクション6(4.5km)です。
このセクションは大潭水塘という貯水池沿いを下って行く比較的楽なコースです。
大潭水塘は標高の異なる3段の貯水池で構成されている大規模な貯水池です。
緑と水と空のコントラストが綺麗です。
貯水池を覗くと魚とともに亀がゆったりと泳いでいます。
パンでも投げればたくさん寄ってきそうですが、「水質汚染防止のため餌付け禁止」となっています。
快適な下りは通過も早くて、最後に森を抜け、車の通る道に出たところでセクション6(4.5km)終了です。
セクション7は始まるとすぐに引水路沿いの歩道が始まり、ここからこの歩道が延々と7km続きます。
ガイドブックにも「セクション8につなぐために少々無理して作った”つなぎのセクション”」と説明されています。
引水路沿いは平坦で良いのですが、景色が変わらないため精神的に飽きがきます。
それも7km・・・!
500m毎にあるポストも、意識して探すとなかなか次が出てこないものでイライラします。
でも、だらだら進んでもしょうがないので、
「トレーニングの機会だ」と気持ちを切り替えインターバル走をすることにしました。
ポストの区間ごとに「走り」と「歩き」を繰り返すのです。
スピードは速くないのですが、セクション5の山でかなり脚を使った後のため、思ったよりもキツい!
3セット目くらいからは汗びっしょりになりました!
引水路沿いの道が終ると、かなり急な階段を登り切ったころでセクション7(7.5km)の終了です。
脚がヘロヘロで、しばらく休憩です。
自分で決めたインターバルでしたが、思ったよりもキツカッタ!
単調なコースでしたが、おかげで忘れられないセクションになりました。
さて、いよいよ最終となるセクション8です。
この区間はホンコントレイルの中でも「クライマックス」と呼ばれていて、私も楽しみにしていました。
と、言うのも、このセクションにはアジアのベストハイキングコースにも選ばれた「龍背(Dragon's back)と呼ばれる稜線道があるんです。
案内板にも黄色と白のドラゴンが描いてあります!!(毛虫みたいですが・・・)
まずは、龍背(Dragon's back)に向けて階段を登ります。
脚を使い切っていて、さらに少し西に傾き始めた日差しも強く、キツイです。
でも、この先見えるであろう景色に期待して登り続けます。
登り続けること15分。やっと到着!
おお〜、これはスゴイ!
苦労して登った苦労に充分値する絶景です。
そして、ここから約1.5kmの稜線道が続きます。
これはガイドブックの写真ですが、今まさにこの稜線上を歩いてるんですね。
現在は樹が成長して見通しが悪くなってしまいましたが、稜線の最高地点である打爛頂上からは左右に海を臨む景色が楽しめます。
ここにもドラゴンの絵がありますね。
頂上から1kmほどで、道は稜線を離れて平坦な土道となり、ここから約5km先のゴールに続きます。
H096! あと2km!
H098! あと1km!
そして、道も下りとなり、ゴール地点の大浪灣へ向けて降りていきます。
そして、民家に出る直前の左側にゴール(H100ポスト)がありました。
「あれっこれだけ?」と言う感じの質素なゴールですね。
でも、とにかく完走しました! 身体は疲れ切ってますが大満足です!
ゴール先の村のお店で買った飲み物は疲れた身体に染み込みました!!
帰りはのどかな村を10分ほど抜けた所のバス停から帰宅です。
ホンコントレイルは高低差もあまり大きくなく、引水路を含めた舗装路もあるため、比較的容易なコースだと感じました。
一部単調な部分もありますが、セクション8の素敵なルートで締めくくられることもあり満足度は高いですね。
もし時間が限られている場合は、セクション5かセクション8に行くのをお勧めします。
登りは少々きついですが、その苦労に見合う景色が見られますから。
(ホンコントレイル セクション4〜8 32km 6時間30分)
楽しかったなぁ〜
(実踏&撮影:2014年9月)
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